最近の日本においては、雇用の安定性が揺らいできており、非正規・正規にかかわらず、安定した雇用を得ることが難しくなってきております。
職場を辞めざるを得ない人にはそれぞれ様々な理由があると思われますが、中には、闇金から借金をしたことによって、その取り立てで職場に嫌がらせをされ、その結果仕事を辞めざるを得なくなった人も見られます。
そこで今回はまず、闇金からの借金の返済の滞りをきっかけに様々な嫌がらせの被害を受けた人の体験談を紹介します。
そして、闇金からの嫌がらせを止めるための対処法についても解説していきます。
闇金トラブル（ソフト・LINE闇金を含む）には、民事不介入の原則から基本的には警察は動いてくれません！
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【体験談】闇金の嫌がらせは職場まで！
ここでは、闇金から借金をし、その返済が滞ったことによって、闇金からの様々な嫌がらせの被害にあい、最終的には仕事を失うことになったある女性の体験談を紹介します。
なお、個人が特定できないように、多少の再構成を加えています。
最初は本人への嫌がらせのみ
私は31歳女性、都内の小さな会社に勤め、事務職をしていました。
昔からストレスが重なると買い物をして発散する癖があり、複数のクレジットカードを買い物に使い過ぎてしまったために、利用額を返済できず、お金に困るようになってしまいました。
すぐにでもお金が必要な私は、街の広告で見かけた金融会社から30万ほど借りました。しかし、その後も急な出費が重なり、ある時から借金の返済が滞るようになりました。
最初は、私の自宅の電話と携帯電話に、矢のような催促の電話が入るようになりました。かかってくる時間帯も昼夜問わずと言った感じで、ひどいストレスを感じていました。
また、電話だけでなく、自宅にも取り立てに押しかけてくるようになりました。怖かった私はドアも開けず、とにかく必ず返済しますから帰ってください、と頼むばかりでした。
払えない期間が続いた結果、職場にも電話が来るように
それでも借金の返済ができない日が続いていたある日、私の勤めている職場に闇金業者から電話がかかってきました。内容はもちろん借金返済の催促の電話。
その日以降、毎日のように職場には闇金からの電話がかかるようになり、多い時には日に5回も6回もかかって、だんだんと業務に支障をきたすようになりました。
さらに別の日には、会社の入り口に闇金の人物が押しかけてきて、何をするというわけではないのですが、同僚や上司が近づくとニヤニヤしながら絡んだりしていました。
会社の来客には「この会社は借金しても返さない悪人がいるようなところだから信用できないねえ」などと吹き込んでいるようでした。
ある日社長から呼び出され
そんなある日、勤め先の社長から呼び出されました。
社長室に入ると開口一番「君の借金の噂はだいぶ広まってしまっていて、社にも迷惑がかかっている。なにより、『君がいると仕事にならない。』と、君の同僚からもクレームが出ているんだ。辞めてくれないか」と言ってきました。
その場は、「仕事を失うわけにはいきませんし、なんとかしますから、首にはしないでください」と伝えて終わりましたが、闇金からの嫌がらせは続き、同僚や上司からの視線も日に日に冷たいものになっていきました。
最終的に仕事まで失う結果に
そのような職場の雰囲気と社長からの再三の勧告に耐えかねて、私は社長の申し出を受け入れて、退職することになりました。もちろん自己都合退職扱いでした。
仕事まで失い、私は経済的にますます困窮していくことになりました。闇金からの嫌がらせは続いていますし、職を失ったことを伝えたら、風俗への仕事を斡旋するぞ、と言われるようになりました。
もはや私ひとりの力ではどうしようもないところまで追い詰められてしまいました。
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【相談先】闇金からの嫌がらせを止めるには
ここでは、闇金からの嫌がらせを止めるために考えられる相談先について、説明していきます。
日本貸金業協会への相談
日本貸金業協会は今年で設立15年を迎える業界団体です。
この団体が運営している「貸金業相談・紛争解決センター」では、闇金への対処法や債務に関する相談を無料で受けてくれます。
また、闇金問題に関する助言や情報提供も行なっていますし、有料でADR（紛争解決手続き）もしてもらえる仕組みになっています。
ただし、ADRの弁護士が闇金に強いとは限りません。闇金対策には専門知識が必要なので、自分でそのような知識を有する弁護士や司法書士を探した方が得策な場合もあります。
参考までに、「貸金業相談・紛争解決センター」のサイトURLと相談先の電話番号、および受付時間を記しておきます。
URL：https://www.j-fsa.or.jp/personal/contact/consultation_desk.php
電話番号：0570-051-051
受付時間：平日9：00～17：30
警察への相談
警察へ相談するのも対処法の一つです。
ただし、警察は原則民事不介入の立場をとります。
明確な犯罪行為がない限り、契約当事者間（この場合であれば闇金と債務者間）で合意した内容について、警察が介入することは原則的にできないとされています。
また、闇金の違法行為の立証は難しい面もあり、警察はなかなか積極的には動いてくれませんし、被害届を出しても受理してくれないケースも多々あります。
弁護士・司法書士への相談
闇金トラブルへの対処には、弁護士や司法書士への相談がもっともおすすめです。
弁護士や司法書士は、依頼者である債務者の代理人として、問題解決のために動くことができます。闇金からの嫌がらせによって、闇金側と接触することすら恐怖を覚えるような人にとっては、大変心強い存在です。
また、弁護士や司法書士は、闇金トラブルを救済する仕組みを熟知しています。警察への相談および被害届の提出への同行なども請け負ってくれます。
そして何より、闇金を含む金融業者との交渉に長けています。法知識や経験を活用して、現実的な解決を目指します。
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【Tips】職場への連絡は特別な理由がないとNG
上の体験談で書かれていたような、闇金業者からの職場への連絡は、原則してはいけないと貸金業法等で規定されています。
貸金業法によれば、債務者本人以外の連絡先（例えば職場や実家、友人など）への債権者からの連絡は、特別な理由（本人と連絡が取れないなど）がない限り、禁止されています。
闇金は、いわゆる貸金業法に則った、正規の貸金業者ではなく、金融庁にも登録されていません。彼らはそれをいいことに、貸金業法で規定されている様々なルールを破った行動に出ているわけです。
まとめ
今回は、闇金からの借金の返済の滞りをきっかけに様々な嫌がらせの被害を受けた人の体験談を紹介しました。そして、闇金からの嫌がらせを止めるための対処法についても解説しました。
嫌がらせをはじめとする闇金トラブルの解決を必要とされている方は、「司法書士法人ライタス綜合事務所」をはじめ、本サイトでおすすめしている弁護士事務所や司法書士事務所に、ぜひ一度相談してみてください。
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| 2023年10月19日 監修者 | ||
|---|---|---|
 |
所属 | 司法書士・行政書士 いとう法務事務所 |
| 氏名 | 伊藤 祐基司法書士 | |
| 登録番号 | 愛知県司法書士会 熱田・あま支部 第1957号 | |
| 専門 | 債務整理,遺言・相続手続,成年後見 | |
| URL | https://ito-legal.jp/ |
