「借金の返済が苦しい・・・」
そんなとき、自己破産を考える方もいるでしょう。しかし、実家に住んでいる方の場合は親にバレるのではないかと不安になると思います。
そこで今回は、実家暮らしで自己破産が家族にバレる理由とともに、家族にバレずに自己破産できるケースをまとめました。実家住まいで自己破産を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
自己破産を含む「債務整理」について詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
実家暮らしで自己破産が家族にバレる8つの理由
実家暮らしでも自己破産すること自体は可能ですが、場合によっては家族にバレる可能性があります。ここでは、実家暮らしで自己破産をした際、家族にバレてしまう8つの理由を見ていきましょう。
世帯全体の家計簿の作成が必要
自己破産を行う際は、家計簿の作成・提出が必須です。このときに作成するのは世帯全体の家計簿であり、同居している家族に協力を求めなければなりません。債務者の家計を正確に把握し、返済不能であることを証明するためには世帯全体の家計簿が必要になります。
また、怪しいお金の動きがないかチェックすることも世帯全体の家計簿を提出しなければならない理由の1つです。
同居家族の収入証明書の提出が必要
自己破産を行う場合、世帯ごとのお金の動きを把握するために同居家族全員の収入証明書を提出しなければなりません。収入を証明できる書類の発行を家族に頼めば、ほぼ必ず理由を聞かれるはずです。
その際、自己破産を考えている旨を話す必要があるでしょう。給料などの収入のほか、家賃や光熱費といった固定費の明細もあわせて提出するケースも多くあります。
財産は処分する必要がある
自己破産では、以下のような自由財産を除いた財産を処分する必要があります。
生活に最低限必要な家具家電は処分されませんが、自分の名義で購入した車などは処分しなければなりません。実家については、所有者が父親となっているケースが多いため、基本的に処分の必要はないでしょう。
ただし、急に車などの財産がなくなれば家族に怪しまれてしまいます。その際、自己破産をしたのではないかとバレてしまう可能性も十分にあるでしょう。
クレジットカードやローンの審査に通らなくなる
自己破産を行うと信用情報機関に事故情報が登録されてしまい、一定期間はクレジットカードやローンの審査に通らなくなります。いわゆるブラックリスト入りになった場合、5~10年は審査に通らないと考えてください。
また、スマホ機種代の分割払いもできなくなります。場合によっては家族の協力が必要となり、その際にバレる可能性があるでしょう。
保証人である家族に一括請求される
借金の保証人が家族になっている場合、自己破産の手続きを進めた際に一括請求されます。保証人は、債務者本人に支払い能力がなくなった場合の保険です。
自己破産手続きは「支払えない」と言っていることになるため、結果的に保証人である家族に借金の請求がいってしまいます。家族に借金の請求がいけば、おのずと自己破産のこともバレてしまうでしょう。
家族に借りているお金も破産の対象となる
自己破産の手続きを進める際は、全ての借金について正直に話さなければなりません。その借金の中には、「家族に借りているお金」も含まれます。クレジットカード会社や消費者金融からの借金だけでなく、家族からの借金も破産対象です。
債権者として家族の名前を記載すると、裁判所からの通知が届きます。その際、自己破産を進めている旨がバレるでしょう。家族にバレたくないからといって借金を隠した場合は免責不許可事由にあたり、自己破産が成立しなくなります。
債権者からの電話や督促状がくる
自己破産を行うと、闇金などの悪質な債権者から電話や督促状がくる可能性があります。自宅に怪しい電話や手紙が来れば、家族に怪しまれてしまうでしょう。
通常は債権者から連絡が来ることはありませんが、闇金に限っては来ないとは言い切れません。闇金など悪質な債権者からお金を借りている場合には、家族にバレてしまうリスクが高まります。
裁判所からの書類が届く
自己破産は裁判所を通した手続きのため、自宅に書類が届く可能性があるでしょう。基本的に弁護士や司法書士に依頼している場合は、ほとんどの書類が事務所に届きます。しかし、一部の書類は自宅に郵送される可能性があるため注意が必要です。
裁判所からの書類が自宅に届けば、家族に怪しまれます。宛名を見て、あなたが何か問題を起こしたと考える家族も多いでしょう。
実家暮らしでも家族にバレずに自己破産ができるケースは?
実家暮らしだからといって、必ず自己破産が家族にバレるわけではありません。ここでは、実家暮らしでも家族にバレずに自己破産できるケースを紹介します。
家計が別になっている
自己破産手続きでは家計簿の作成・提出が求められますが、そもそも家計が別になっている場合は家族に協力を求める必要はありません。家族の収入に関する書類や家計簿は提出しなくて良いため、バレることもないでしょう。
家族からお金を借りていない
家族からお金を借りていると、その借金も破産対象となります。そのため、自己破産をすると家族宛に裁判所からの手紙が届きます。家族は債権者として手紙を受け取ることになり、自己破産のことがバレてしまうでしょう。
家族からお金を借りていなければ手紙が渡ることもなく、バレずに自己破産の手続きを進められます。
自宅や車の名義が破産者以外
自己破産をすると、財産を手放さなければなりません。例えば、実家の名義が自分になっている場合には自己破産するとすぐにバレるでしょう。普段使っている自家用車も自分名義であれば手放す必要があり、バレるリスクが高まります。
一方で、家や車が自分以外の名義であれば手放す必要はなく、家族に自己破産のことがバレる心配も少なくなるはずです。
家族が連帯保証人になっていない
連帯保証人が家族以外であれば、直接バレることはありません。ただし、家族と近しい存在の人物を連帯保証人にしている場合は、間接的に自己破産のことを知られてしまう可能性があるので注意が必要です。
自己破産で家族に出る影響とは
実家暮らしの方が自己破産した場合、少なからず家族に影響が出てしまうでしょう。以下では、自己破産を行った際に家族に出る影響を紹介します。
本人名義の資産の差し押さえ
自己破産をすると自由財産を除き、ほぼ全ての財産を差し押さえられてしまいます。差し押さえの対象となる資産の代表例は、以下の通りです。
- 家や土地
- 車
- 保険や貯金
家や土地が差し押さえられた場合、家族は引っ越しを余儀なくされます。引っ越し先によっては子どもの転校も考えなければならず、家族には大きな影響を与えてしまうでしょう。車を差し押さえられると、買い物や通勤も不便になります。
保険や貯金に関しては、学資保険なども解約されてしまうので注意が必要です。子どものために貯めていたお金や将来を見据えて掛けていた保険も解約となり、原則として手元には残りません。
家族が保証人の場合は家族に返済義務が生じる
借金をする際は連帯保証人を立てるケースが多く、債務者本人に支払い能力がなくなれば連帯保証人に返済義務が移ります。家族を保証人としている場合には、大きな借金を背負わせることになってしまうでしょう。
連帯保証人である家族も返済できない場合、同様に債務整理に関する手続きを行わなければなりません。
クレジットカードやローンの審査に影響が出る
クレジットカードやローンの審査については、基本的に家族への直接的な影響はありません。自己破産をすると信用情報に事故情報として記載されてしまいますが、あくまでも破産者本人のみへの記載です。
しかし、破産者の利用していた会社において家族がクレジットカードやローンの審査を行う際、破産者の事故情報を閲覧されてしまう可能性は十分にあります。契約者本人だけでなく、配偶者や親の信用情報に事故情報が記載されている場合は、審査落ちすることもあるでしょう。
家族がクレジットカードやローンを利用する際には、破産者本人の利用履歴がある会社は避けた方が無難です。
実家暮らしの場合にまず検討したい他の債務整理とは
借金を背負っている方が行える債務整理は、自己破産だけではありません。個人再生や任意整理であれば、実家暮らしでも家族にバレにくい可能性があります。ここでは、実家暮らしの方が検討したい債務整理を詳しく見ていきましょう。
【個人再生】家族への影響を最小限にできる
個人再生は自己破産と同じく裁判所を通す手続きですが、借金がゼロになるわけではありません。現在、抱えている借金を1/5~1/10程度に減らした上で残りを一定期間内に支払うように調整する手続きです。
返済期間は原則3年〜5年であり、借金がなくなるわけではないものの大幅に減額できる可能性があります。全額は難しくても、借金を返済し続ける能力があるなら個人再生を検討してみましょう。
個人再生は自己破産のように財産を全て取られることもなく、連帯保証人に支払い義務が生じることもありません。家族にバレる可能性はありますが、影響は最小限に抑えられるはずです。
【任意整理】家族バレのリスクが少ない
任意整理は自己破産や個人再生とは異なり、裁判所を通さずに行う手続きです。任意の債権者に対して交渉を行い、借金の金額や支払い期間を調整して貰います。原則として、弁護士と債権者でやり取りをしてくれるため、家族バレのリスクはかなり少ないでしょう。
弁護士や司法書士には「守秘義務」があり、勝手に家族にバラされる心配もありません。ただし、自己破産を検討するほど借金額が大きい場合や生活に困窮している環境では、任意整理での解決は難しいでしょう。
まとめ
今回は、実家暮らしの方が自己破産をした際に家族にバレる理由とともに、バレないケースを解説しました。自己破産は裁判所を通す手続きであり、財産の差し押さえなども発生するため、家族に内緒で行うのは難しいでしょう。
家族への影響を最小限で抑えたいなら個人再生、家族バレのリスクを下げたいなら任意整理も検討してみてください。
どのような手続きが自分に合うか分からない場合には、弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。プロの目線で状況をしっかりと判断し、あなたにピッタリあった解決策を提示してくれるでしょう。
以下の記事では、債務整理に強みを持つ司法書士や弁護士を紹介しています。借金の返済に悩んでいる方は、ぜひ一度相談してみてください。