親の介護や自分の将来を考えたとき、介護施設の費用の高さに驚いた経験はありませんか。「月に20万円以上かかる」「入居一時金だけで数百万円必要」といった話を聞くと、不安になるのも無理はありません。
介護施設の費用は、施設の種類や立地、サービス内容によって大きく異なります。例えば、公的な施設では月5万円台から利用できる場合がある一方で、民間の高級施設では月50万円以上かかることもあります。
この記事では、介護施設の種類別費用相場や月額費用の内訳、さらには費用を抑える具体的な方法について分かりやすく解説しますので、参考にしてください。
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介護施設の種類ごとの費用相場ってどれくらい？
介護施設の費用は、どのタイプの施設を選ぶかによって大きく変わります。特に公的施設と民間施設では、料金の仕組みやサービス内容が異なるため、最初に全体の相場をつかんでおくことが大切です。
また、入居時に必要な「入居一時金」と毎月かかる「月額費用」の違いを理解することで、実際にかかる総額をイメージしやすくなります。
主要な介護施設の費用相場をチェック！
代表的な公的施設である「特別養護老人ホーム」は、入居一時金がかからず、月額費用は5～15万円程度です。要介護3以上の方が対象となり、費用の安さから人気が高く、入居待ちが発生することも珍しくありません。
一方、民間の「介護付き有料老人ホーム」では、サービスが充実している分、費用も高めです。入居一時金は0円から数百万円まで幅があり、月額費用も15～30万円程度とされています。施設ごとに料金設定が異なるため、予算に応じて比較検討が必要です。
「グループホーム」は、認知症の方を対象とした少人数制の施設で、月額15万～30万円程度が一般的な費用感です。また、「サービス付き高齢者向け住宅」は、月額10万～30万円程度ですが、入居一時金の有無やサービス内容によって金額に差が出るため、事前に確認しておきましょう。
入居一時金と月額費用、それぞれどんな仕組み？
入居一時金とは、前払いの家賃のようなもので、施設に支払う初期費用です。償却期間に応じて分割して消化される仕組みで、期間内に退去した場合は未償却分が返金されることもあります。契約前には、この償却ルールを確認しておくことが大切です。
月額費用には、家賃・食費・管理費・介護サービス費などが含まれ、施設によってその内訳や金額が大きく異なります。同じ施設でも、部屋タイプやサービス内容によって金額に差が出るため、見積もりは詳細に確認しましょう。
なお、入居一時金0円プランを選べる施設も増えていますが、月額費用がやや高めに設定されるケースもあり、初期費用と月々の負担のバランスを見て判断してください。
予算に合った施設を探すのがおすすめ
民間施設は、立地や設備、サービスの充実度によって費用に大きな開きがあります。同じ介護付き有料老人ホームでも、一般的な施設と高級志向の施設では、月額費用に2倍以上の差が出ることも珍しくありません。
駅から近く、築浅で豪華な設備を備えた施設は高額になりがちです。一方で、地方や築年数の経った施設では、比較的安価な料金で利用できることが多く、予算にあった施設を探すとよいでしょう。
公的施設は費用が安い分、入居条件が厳しく、待機人数も多くなる傾向があります。
費用面だけでなく、入居までのスケジュールや必要性を総合的に判断することが大切です。
月額費用の内訳ってどうなってるの？
月額費用は複数の項目から構成されており、施設によって内訳や金額が大きく異なります。どんな項目がどれくらいの費用を占めているのかを知っておくと、納得感のある選択がしやすくなります。
家賃・居住費の相場はどれくらい？
月額費用の中でも大きな割合を占めるのが家賃（居住費）です。相場は月5万～13万円程度で、個室や好立地の施設ではさらに高くなり、月20万円を超える場合もあります。
多床室（相部屋）を選べば、月3万～5万円程度安くなることが多いです。プライバシーの面では制約がありますが、費用を節約したい方にとっては現実的な選択肢となります。
また、介護度や所得に応じて「特定入所者介護サービス費」などの減免制度を活用できる場合もあります。こうした制度を利用することで、月々の負担を軽くできる可能性があるため、ケアマネジャーや施設の担当者に相談してみましょう。
食費や管理費、その他の費用も忘れずに
食費は1か月あたり3万5,000円～5万円程度が目安とされますが、食事内容や提供回数、特別食の有無などによって大きく変わります。外食や特別なリクエストがある場合は追加料金がかかることもあるため、事前に確認が必要です。
管理費や水道光熱費なども月1万～3万円程度が一般的です。施設の共用部分の充実度や、清掃・洗濯サービスの内容などにより、料金が変動することもあります。
さらに、おむつ代や理美容代、医療費などの実費負担も発生します。これらの費用は毎月1万～3万円程度になることが多く、月額費用の基本料金に加えて、ある程度の余裕を持った資金計画が必要です。
施設によって異なる加算項目に注意
介護サービス費は、介護保険が適用されるため、自己負担は原則1～3割です。要介護度によって費用が変わり、要介護1で月2万円程度、要介護5では月3万円程度が目安とされています。
サービス加算や特別なケアが必要な場合には追加費用が必要です。夜間看護体制加算や医療連携体制加算など、施設のサービス体制によって加算項目が異なります。
医療的ケアやリハビリなど、個別対応による加算もあるため、どんなサービスにどれだけの費用がかかるのかを事前に確認しておきましょう。
介護施設の費用を安く抑える方法
介護施設の費用を少しでも抑えたいなら、施設選びの段階で工夫が必要です。条件によっては、月額で数万円単位の違いが出ることもあります。
公的施設や多床室を選ぶと費用を抑えられる
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的施設は、民間施設に比べて圧倒的に費用を抑えられます。月額5万～15万円程度で利用できることもあるため、経済的な事情がある方にとっては有力な選択肢です。
また、多床室を選ぶと、個室と比較して月額費用が3万～5万円程度安くなります。費用面を優先する場合には非常に有効な方法です。
ただし、公的施設や人気のある民間施設は入居待ちが長期間に及ぶ場合もあるため、早めの情報収集と申し込みが肝心です。複数の施設へ同時期に申し込んでおくことも一つの手でしょう。
助成制度や減免制度も積極的に活用しよう
「高額介護サービス費制度」は、月額の介護サービス費が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。「特定入所者介護サービス費」は、所得や介護度に応じて居住費や食費の一部を軽減してもらえる制度で、条件を満たせば大きな助けになります。
また、世帯分離を行うことで自己負担上限が下がる場合もありますが、税制上の優遇措置が受けられなくなるなどのデメリットもあるため、事前によく調べたうえで判断が必要です。
自治体独自の助成や補助金制度もあるため、地域の福祉窓口や社会福祉協議会で相談することをおすすめします。地域によって支援内容が異なるため、居住地の自治体で利用可能な制度を確認しましょう。
家族の協力や地方移住でコストダウンも可能
洗濯や理美容、買い物などを家族が担うことで、毎月の実費負担を1万～2万円程度減らすことも可能です。面会時に必要な物品を持参したり、外出時に理美容を済ませたりすることで、施設での実費負担を節約できます。
また、地方の施設は都市部よりも費用が安い傾向があり、移住を検討するのも一つの方法です。家族の協力が得やすい地域や生活環境の良い地方で、費用を抑えながら質の高いサービスを受けられる可能性があります。
ただし、施設の立地や交通の利便性、家族との距離なども考慮し、長期的に無理のない選択を心がけましょう。
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支払いが厳しいときはどうする？困ったときの対策
介護施設の費用支払いが困難になった場合でも、諦める前にできる対策があります。早めに行動すれば解決の糸口は見つかります。
まずは施設やケアマネジャーに相談しよう
費用の支払いが難しいと感じたら、まずは施設の職員やケアマネジャーに率直に相談してみましょう。分割払いや支払いの一時猶予など、柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。
例えば、個室から多床室への変更や、より安価なプランへの切り替えなども検討できます。施設ごとに用意されている料金プランは複数あるため、現在の状況に応じた選択肢を一緒に探してもらうと安心です。
安い施設への転居や制度の利用も選択肢
どうしても今の施設の費用が重いと感じる場合は、公的施設や多床室への転居を検討してみましょう。生活環境が変わることに不安を感じるかもしれませんが、長期的に見れば負担の軽減につながります。
自治体の福祉窓口や社会福祉協議会では、利用できる制度の案内や申請の手続きのサポートも可能です。困ったときには迷わず相談することをおすすめします。
借金や家計が原因なら債務整理も視野に
もし介護費用の支払いが原因で借金が膨らんでしまったり、家計が回らなくなったりした場合、弁護士や司法書士に相談して債務整理を検討するのも一つの方法です。任意整理や個人再生、自己破産など、状況に応じた適切な方法があります。
なお、親の借金については、原則として子どもに返済義務はありませんが、保証人や連帯保証人になっている場合や、相続の際には注意が必要です。相続放棄などの対策についても専門家に相談しておきましょう。
まとめ
介護施設の費用は、施設の種類や立地、サービス内容によって大きく異なりますが、事前の情報収集と制度の活用によって、経済的な負担を軽減することは可能です。公的施設の利用や多床室の選択、各種助成制度の活用などを組み合わせることで、安心して介護生活を送るための一歩を踏み出せるでしょう。
もし費用面での不安がある場合は、当サイトで紹介している弁護士事務所や司法書士事務所に相談してみてください。債務整理や家計の見直しを通じて、無理のない支払い計画を立てられるよう、専門的なアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。
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