「年金を払いたいけど、今の収入では難しい…」そんなお悩みを抱えている人は少なくありません。特に、収入が不安定なフリーターやニートの方にとっては、毎月の年金保険料を納付することは難しいですよね。保険料の支払いが追いつかず、老後の不安を抱えながらの生活は苦しいものです。
年金制度には、経済的に困窮している人向けの免除制度や、若い世代向けの納付猶予制度があります。年金事務所では、分割納付や免除申請の相談も受け付けています。経済状況や生活環境によって、どんな制度を選べるかは異なりますが、現状から抜け出す方法はいくらでもあります。本記事では年金未納のリスクとその対策について、詳しく解説していきます。
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フリーターやニートが年金を払わないとどうなるの？
年金の未納は、老後の年金受給額が減ることにつながります。未納期間が長引くと、何かのアクシデントで働けなくなった場合に受け取れる障害年金や、遺族年金を受け取る権利も失ってしまうことがあります。
年金未納によるデメリットは？
将来受け取れる老齢基礎年金（老後に受け取る年金）の額は、保険料の納付期間によって変わります。
未納期間が長くなると、年金の受給額が大幅に減少し、老後の生活が大変苦しいものとなってしまいます。
保険料の未納期間の長さによっては、年金の受給資格を失うリスクもあります。受給資格を得るには、一定期間以上の保険料納付が必要なのです。40年間納付することで、老後に満額の年金を受け取ることができます。
年金を未納すると、年金事務所から督促状が届きます。支払期限を過ぎると、延滞金も発生します。延滞金は日々増加していくため、保険料の滞納は大変危険です。支払い能力があるにもかかわらず未納を続けると、強制徴収の対象となる場合もあります。未納期間中に病気やけがで働けなくなった場合、障害年金を受給できないことにもつながります。
年金未納が続くと差し押さえも？
年金保険料の未納が続くと、最終的には財産の差し押さえをされることも。2023年度の差し押さえ件数は1万件以上に上り、決して珍しいことではありません。一度差し押さえが執行されると、日常生活に大きな支障が出ることでしょう。
差し押さえの対象となる財産は幅広く、給料や預貯金、不動産、自動車などが含まれます。給料が差し押さえられると、毎月の生活費に響きますし、預貯金の差し押さえは、口座にある全額が対象となる場合も。
滞納者本人の財産が見つからない場合、生計を共にしている家族の財産も差し押さえの対象となります。
こういった事態を避けるためにも、年金の未納が続かないよう気をつけなくてはいけません。
年金未納から差し押さえまでの流れ
年金保険料の未納が続くと、まず年金事務所から督促状が送られます。納付期限から一定期間が過ぎると、未納保険料と延滞金の金額が記載された督促状が届きます。督促状を無視すると、次は特別催告状が届きます。
特別催告状にも応じない場合は、最終催告状が送付されます。支払いが行われないと差押予告通知書が届きます。
差押予告通知書でも支払いや相談がない場合、実際の差し押さえ手続きが開始されます。一度差し押さえが執行されると、解除するのは容易ではありません。差し押さえを避けるためにも、督促状が届いた時点で年金事務所に相談するようにしましょう。
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年金が払えない人向けの免除・猶予制度とは？
年金保険料の支払いが困難な場合は、保険料の免除や納付猶予を検討しましょう。所得状況や年齢によって、利用できる制度は異なります。老後の年金受給権を確保しながら、現在の経済的負担を軽減することができます。
免除制度の種類と条件
免除制度には、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類があります。
前年の所得状況によって、適用される免除の額が決定されます。全額免除の場合、保険料の支払いが100%免除されますが、将来の年金受給額は減額となってしまいます。
失業や事業の廃止により収入が減少した場合は、特例として免除が認められやすくなります。離職票などの証明書類があれば、申請時の審査でプラスの判断材料となります。配偶者の収入も審査の対象となるため、世帯全体の経済状況が考慮されます。
免除を受けた期間の保険料は、10年以内であれば後から納付することも可能です。お金に余裕ができた頃に追納することで、将来の年金受給額を満額に近づけることができます。全額免除よりも一部免除を選択すると良いでしょう。
納付猶予制度の対象者は？
20歳以上50歳未満の方には、納付猶予制度という選択肢があります。これは本人と配偶者の前年の所得が一定額以下なら、一時的に年金の支払いを先送りにできる制度です。学生じゃなくても利用できるので、収入が不安定な時期の負担を減らすことができます。
また、申請すれば最大2年1カ月前まで遡って適用することも可能です。年金の受給額に影響はありますが、それでも納付猶予期間も受給資格期間としてカウントされるので、将来「年金がもらえない！」という事態にはなりません。
さらに、納付猶予を受けた期間の保険料は、10年以内なら後から払うことができます。収入が増えた時点で追納すれば、将来もらえる年金額を増やせるので安心です。追納する場合は、当時の保険料に一定の金額が上乗せされるので、その点は覚えておきましょう。
免除・猶予の申請手続き方法
「手続きってなんだか面倒くさそう…」と思うかもしれませんが、申請自体は意外とシンプルです。免除や猶予の申請は、住んでいる地域の区役所にある国民年金窓口や、年金事務所で手続きができます。必要なものは、申請書・本人確認書類・年金手帳の3点です。平日の日中に行けない方向けに、予約制で時間外の相談に対応している窓口もあります。
もし、仕事を辞めたばかりで失業を理由に申請する場合は、離職票や雇用保険受給資格者証などの追加書類が求められます。収入の審査対象には本人だけでなく、家族の状況も含まれる場合があるので、スムーズに申請するためにも事前に確認しておきましょう。
申請から結果が出るまでは少し時間がかかりますが、その間は保険料の支払いを待ってもらえるのでご安心ください。無事に承認されれば、申請した月分から免除や猶予が適用されるので、できるだけ早めに手続きするのがベストです。
年金未納を放置せずにすべき対処法
年金の未納はそのままにしておくと、どんどん状況が悪化してしまいます。だからこそ、早めの対策が肝心です。一人で悩まず、年金事務所に相談してみましょう。
まずは現状を確認しよう
ねんきんネット（オンラインサービス）を利用すると、自分の年金の納付状況や未納期間を簡単に確認できます。基本的には2年前まで遡って納付できるので、未納期間が長くなる前に、まずはチェックしてみましょう。
手続きを行えば、最大5年前までの未納分を後から納める（後納）ことも可能です。後納制度を利用すれば、将来もらえる年金額を増やすことができます。ただし、後納には申請が必要で、当時の保険料に加算額が上乗せされる点には注意が必要です。
わからないことがあれば、年金事務所に電話で相談してみましょう。現在の納付状況や、あなたが利用できる制度について、丁寧に説明してもらえます。
分割納付の活用方法
未納分をまとめて払うのが難しいときは、分割納付という方法があります。これは、年金事務所で相談しながら、自分の収入に合わせて無理のない支払い計画を立てられる制度です。収入状況に応じて月々の支払額を調整できるので、負担を分散することができます。
大切なのが、延滞金をなるべく増やさないことです。支払いが厳しくなったら、できるだけ早めに相談しましょう。
ただし、分割納付を利用する場合は、支払いをしっかり続けなくてはいけません。
途中で滞納してしまうと、分割の約束が無効になり、残りの金額を一括で支払うよう求められる可能性があります。
無理のないプランを立てて、コツコツ払っていくことが大事です。
免除・猶予申請のポイント
「どうしても支払うのが難しい…」という場合は、免除や猶予の申請をするという手もあります。ただし、これらの申請は毎年度（7月から翌年6月まで）必要なので、一度申請が通っても、翌年度も忘れずに手続きをしなければいけません。
過去の未納分についても、申請期限内なら遡って免除・猶予を受けることができます。毎年の更新を忘れないようにすることが大切です。カレンダーにメモをするなど、うっかり忘れない工夫をしておきましょう。
収入が増えて、免除が不要になった場合は、通常の納付に戻すことができます。免除を受けた期間の保険料は、10年以内であれば後から納付することも可能です。追納すれば、将来の年金受給額を増やせるので老後も安心です。
まとめ
収入が不安定な場合でも、様々なサポート制度を利用することで、今の負担を軽くしながら、将来の年金受給権をしっかり確保することができます。
未納のままでいると、将来の年金受給額が減るだけでなく、最悪の場合、財産が差し押さえられることも。今すぐ全額払うのは難しいという場合でも、分割納付を活用すれば、無理のないペースで支払うことができます。また、一定の条件を満たせば免除や猶予の申請が可能なので、まずは自分に合った方法を見つけましょう。
年金の未納でお悩みの方は、当サイトで紹介している年金問題に強い司法書士事務所や弁護士事務所に相談してみませんか？一人で悩まず、専門家に相談することで、解決への糸口が見つかるでしょう。
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