毎月の返済日が近づくたび、給料だけでは足りずに別の借入れをしてしまう人がいます。20代、30代の女性を中心に増加している借金問題。借金の返済に追われる苦しい生活から抜け出したいけれど、どうしたらいいのか分からないとお悩みではないでしょうか？
本記事では、そんな「借金を借金で返す生活」について解説します。専門家に相談して、借金問題を解決するまでの具体的な方法も紹介するので、ご自身や身近な人のためにも読んでみてください。
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自転車操業って具体的にどんな状態？
借金を返済するために、新しい借入をしてどんどん借金が増えていく状況のことを「自転車操業」といいます。追加で借金し続ける状態を、ペダルを漕ぎ続けないと倒れてしまう自転車に例えた言葉です。
自転車操業を続けていると、最終的に自己破産せざるを得なくなるケースも多いのが実情。そのため、自転車操業に陥ってしまったときには、早めの対処が必要不可欠となります。
借金の問題は、周りからは見えにくい問題だけに、一人で抱え込んでしまいがちです。借金が借金を呼ぶ状況に陥ると、精神的にも追い詰められてしまうでしょう。
借金返済のために新たな借金をする悪循環
自転車操業に陥るのは、毎月の給料日が来ても、借金の返済に追われて手元にお金が残らないときです。生活費が足りなくなり、仕方なく消費者金融やカードローンで借入れするところから始まります。
借金を繰り返さないと生活ができない状況に陥る点が、自転車操業から抜け出せなくなる理由です。給料が入るたびに返済にお金が消えていくため、手元に残るお金は少なくなる一方になるでしょう。月末になると無理矢理食費を切り詰めたり、光熱費の支払いを遅らせたりする悪循環に陥ります。
また、借金には金利が付きます。消費者金融の金利は年率15%以上になることも珍しくありません。毎月の返済額の中には利息分も含まれているため、元金はなかなか減っていかないのです。
自転車操業に陥りやすい典型的なケース
自転車操業に陥りやすいケースとして、予期せぬ出費で手元の現金が底をつき、返済資金が足りなくなってしまうことが考えられます。また、クレジットカードのリボ払い（毎月定額返済）の返済額が次第に重くのしかかり、支払いが厳しくなることも。病気やケガで働けなくなり、収入が途絶えて返済ができなくなるケースも少なくありません。
さらに、収入が減ることで今までの返済額が払えなくなるケースも多いです。派遣社員から正社員になるときの収入の谷間や、転職時の収入減少にも注意が必要でしょう。
そのほか、派遣切りや雇止めで突然の失業に見舞われると、返済計画は一気に破綻します。住宅ローンや車のローンなど、長期の借入れがある場合はとくに注意が必要です。一時的な収入減少で返済が滞ると、そのあとの人生設計にも大きな影響を及ぼすことになります。
なぜ自転車操業に陥ってしまうの？
自転車操業に陥ってしまう理由は、返済能力を超えた借金を重ねてしまうからです。また、借金をすることに慣れてしまい、簡単に借入れを繰り返してしまう、あるいは容易に借入しやすいシステムがあることも理由の一つでしょう。
消費者金融やカードローンは、審査さえ通れば簡単にお金を借りられます。スマートフォンのアプリで24時間いつでも借入れができる便利さが、かえって借金依存を助長することもあるのです。こうして返済能力を超えた借入れを重ねてしまうと、返済のために新たな借金が必要になる自転車操業に陥りやすくなります。
自転車操業の怖い3つのリスク
自転車操業に陥ると、必然的に直面する怖いリスクがあります。借金がさらに膨らむ金銭面のリスクだけでなく、心身への影響も深刻です。返済のプレッシャーから体調を崩したり、仕事や家族関係にも支障が出かねません。次の項目で、自転車操業が引き起こす深刻な問題を詳しく解説します。
借金総額がどんどん膨らむ
返済のために新しい借金をすると、当然ながら借金の総額は増えていきます。利息分も上乗せされるため、毎月しっかり返済をしていても借金が膨らんでいく状態に陥ってしまいます。必要以上の借入れを重ねることで、元々の借金が何倍にも膨れ上がっていくのです。
金利が年率15%の消費者金融から100万円を借りた場合、毎月の返済額は約20,000円になります。5年かけて完済しても、支払総額は約120万円に膨らみます。
なお、借金が増えすぎると、総量規制の上限に達して新規借入れができなくなることもあります。年収の3分の1を超える借入れは原則として認められないため、返済資金を借りることもできなくなってしまいます。
複数の返済日に追われる生活
自転車操業に陥ると、色々な業者から借りているため、月に何度も返済日がやってきます。常に返済のための金策に追われ、心が休まる暇もありません。一つでも返済が遅れると、全体の返済計画が狂ってしまうプレッシャーと戦う毎日です。
返済日が近づくと不安で眠れなくなったり、仕事に集中できなくなったりすることも考えられます。督促の電話やメールに怯える日々は、心身の健康に良いとは言えません。職場に取り立ての電話がかかってくる可能性も考えると、さらにストレスは高まります。
自転車操業を続けていると、カレンダーを見るたびに返済日が迫っていることを思い出し、気が重くなるでしょう。休日も返済のことばかり考えて楽しめない。大切な人との時間も、借金の心配で台無しになってしまいます。
突然の破綻リスクも
自転車操業の生活を続けていると、収入が減ったり予期せぬ出費があったときに、たちまち返済が難しくなるでしょう。支払いが遅れたり限度額が引き下げられると、新規の借入れもできなくなり、一気に破綻するリスクも考えられます。総量規制で借入れができなくなると、返済計画が立ち行かなくなります。
さらに、返済が遅れると、信用情報機関に事故情報として登録されます。ブラックリストに載ってしまうと、新規の借入れはもちろん、携帯電話の契約やクレジットカードの作成にも影響が出かねません。
さらに返済が滞った場合は、給料の差押えや、財産の差押えのリスクも忘れてはいけません。法的措置を取られると、給料から天引きされたり、預金口座が凍結されたりする可能性もあります。自転車操業を続けていると、普通の生活自体が崩れかねない事態に発展するリスクも考えなければいけません。
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自転車操業から抜け出すための対処法
自転車操業から抜け出すのは簡単ではありません。しかし、諦める必要は全くありません。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることで、必ず解決への道は開けます。ここからは、自転車操業から抜け出すための具体的な対処法を紹介します。一つ一つの小さな行動が、借金問題解決への確実な一歩になります。
収支状況を把握して生活を見直す
まずは、毎月の収入と必要な支出を冷静に整理することから始めましょう。何より、借金の総額と毎月の返済額を、正確に把握することが重要になります。必要な支出を見直すためには、家計簿をつけるのがおすすめです。
支出の見直しは、スマートフォンの料金プランの見直しや、サブスクリプションサービスの解約など、固定費を見直すところから始めましょう。外食を控えめにしたり、不要な衣服の購入を控えたりなど、小さな積み重ねが大きな節約につながります。
さらに、公共料金の支払い方法を見直すのも効果的で口座振替にすることで、支払い忘れを防げます。なお、クレジットカードでポイントを貯めようとして、かえって支出が増えてしまうケースは要注意です。
専門家に相談して債務整理を検討
自転車操業から抜け出すためには、債務整理を視野に入れることも必要です。
任意整理は、弁護士や司法書士に依頼して、カード会社と交渉してもらうことで、借金の利息をカットしてもらう方法です。将来の利息がカットされるため、返済負担が大幅に軽減されます。任意整理を利用すれば、元金だけの返済に集中できるため、計画的な返済が可能になります。
個人再生は、借金を最大で10分の1まで減額できる制度です。収入のある人向けの制度で、3年から5年の返済計画を立てて分割返済していきます。住宅ローンがある場合でも、自宅を手放さずに債務整理ができる点がメリットです。
最終手段として、自己破産で借金を免除してもらい、経済的に再出発する選択肢もあります。ただし、自己破産は一定の財産以外は処分しなければならない点や、職業の資格制限を受ける点などがデメリットです。
早めの行動が生活再建の鍵
借金が増えるほど解決が難しくなるのが自転車操業の怖さです。多重債務に陥った経験のある女性の多くが「もっと早く相談すれば良かった」と話します。話しにくいかもしれませんが、一人で抱え込まず、まずは弁護士や司法書士などの専門家に早めに相談することで自分に合った解決策が見つかるでしょう。
借金問題に関する相談は、無料で受けられる場合も多く、秘密は厳守されます。
国民生活センターや消費生活センター、自治体の法律相談窓口でも相談可能です。
借金の状況を整理し、最適な解決方法をプロの観点から提案してもらうことができるでしょう。専門家との相談で、具体的な解決への第一歩を踏み出せます。
まとめ
自転車操業は一度陥ってしまうと、なかなか抜け出すことが難しくなります。借金の総額は膨らみ続け、返済の負担も重くなる一方です。しかし、一人で悩む必要はありません。法律の専門家に相談することで、必ず解決の糸口が見つかるはずです。
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