前編では緊急小口資金とは何か、どういった人が借りられるのかについて説明しました。
そして、今回の記事(後編)では緊急小口資金の貸付制度を、実際に申し込んで受け取るまでの流れをご説明いたします。
前提としてこの記事は前編をご覧いただいてからお読みいただくと理解がスムーズです。
緊急小口資金の申込みの流れ
緊急小口資金の貸付申し込みの流れは主に以下のステップで進みます。
- 社会福祉協議会へ連絡する
- (状況により)面談を行う
- 必要書類を揃える
- 申請する
- 着金を待つ
「行政のHPで行われている説明が難しくよくわからない!」という声が多いため、ここではステップバイステップで一つずつご紹介していきます。
社協へ連絡する
まずは地元の社会福祉協議会・社協へ連絡しましょう。
ここで注意したいのは、都道府県の社会福祉協議会ではなく必ず自治体にある社会福祉協議会へ連絡することです。
社会福祉協議会は役所の部署ではありません。別団体となります。
よって多くの場合は市役所・区役所の生活保護担当部署のように、つっけんどんで高圧的な対応を取られることがありません。
社協へ連絡した後は、必要に応じて面談を行うことになります。
面談は、
- 電話で終わるパターン
- 実際に訪れて職員さんと対面して申請書を書くパターン
の2パターンに分かれます。
必要書類を揃える
面談・相談の結果緊急小口資金の申し込みが確定したら、必要書類を揃える必要があります。
と言ってもほとんどが社会福祉協議会側に用意してもらえるか、社会福祉協議会のホームページからダウンロードして印刷すればすぐに用意できます。
借入申込書
借入申込書は、緊急小口資金を借り入れる際の申込書となります。
一番重要な書類ですが、書き込む内容としては、
- 住所
- 氏名
- 連絡先
- 世帯全員の情報
などがメインとなります。特に作文の必要はありません。
借用書
借用書についても申込み時に提出することとなります。
こちらもさほど難しい内容ではなく、場合によってはサインだけで完了するケースもあります。
重要事項説明書
重要事項説明書という書類も同時に交付されます。こちらも重要説明事項にきちんと同意していることを示すため、サインをして提出することになります。
収入の減少状況に関する申立書
「収入の減少状況に関する申立書」という書類を提出する必要があります。
こちらの書類には新型ウイルス感染症の影響による収入が減少しており、どうしても必要なので緊急小口資金の貸付を申し込みます。といった内容を記載する必要があります。
住民票(世帯全員記載の原本)
世帯全員が記載されている住民票原本が必要となります。お住まいの自治体の窓口で住民票の交付を受けましょう。
住民票交付には通常手数料がかかりますが、緊急小口資金の借り入れ審査に使用すると言えば無料で交付してもらえる自治体がほとんどです。
通帳かキャッシュカードのコピー
振込先を確認するため、通帳かキャッシュカードのコピーが必要となります。社会福祉協議会によってはキャッシュカードではなく通帳の1ページ目または表紙を指定されるケースもあります。
ここは指示に従って適切な書類を提出しましょう。
本人確認書類のコピー
本人確認書類のコピーも必要です。一般的なものとしては
- 運転免許証のコピー
- パスポートのコピー
などが必要となります。基本的には写真付きで公的機関発行の身分証明書が必要となります。
申請する
書類と必要な住民票等が揃ったら後は申請するだけです。自治体の社会福祉協議会に持ち込むと、郵送のタイムラグを最小限に抑えることができるのでお勧めです。
もちろん指示に従って郵送でのやり取りというケースもあります。
着金を待つ
申し込みをしてから、審査に通過すれば1週間~2週間程度で着金することになります。
着金の前日または前々日には、交付決定通知や貸付決定通知というタイトルの書面が届きますので確認しておくとよいでしょう。
ただし、場合によっては書類の通知発送が追いつかず先に振込が行われるケースもあります。
緊急小口資金に関するQ&A
緊急小口資金借入に関するQ&Aをまとめました。
実際によくある質問を取りまとめ、さらに給付審査に通過した方からの情報提供を踏まえて回答を作成しています。
借金があっても申し込めますか?
借金があっても申し込み自体は可能です。
ただし債務整理中や借金の返済を主の目的として申し込むと、審査に通過しづらくなる可能性があります。少なくとも理由書には借金返済のため、とは書かないほうが良いでしょう。
自己破産中でも申し込めますか?
自己破産中は申し込みの対象外となります。
減収したのが数万円ですが申し込めますか?
申し込み自体は可能です。ただし、地域によっては減少幅が少ないということで審査否決になる可能性も否定しきれないでしょう。
個人事業主ですが申し込めますか?
申し込み可能です。
会社の経営者であっても申し込みが可能なくらいですから問題ありません。
審査は怖いですか?高圧的ですか?
「自治体によってまちまちです。」としか言いようがありません。
しかし、実際のところ生活保護の水際作戦のような公的な態度を取られたという口コミはほぼ見られません。
また、実際に当サイトに情報を寄せてくださった方もその疑問をストレートに社会福祉協議会担当者へぶつけたそうです。
その際、社会福祉協議会の担当者からは、
「そのような口コミがあることは承知しています。でも、社福はそもそも困っている人を助けることが目的な組織です。中にはそういう協議会の担当者が存在してしまうかもしれませんが、まずは1度困ったら飛び込んできてほしい。もっと僕らのことを知ってほしい」
と回答を得たそうです。
審査に落ちることはありますか?
確かに審査に落ちる可能性はゼロではありません。
厚生労働省が2020年夏に公表したデータによれば緊急小口資金の審査通過率は全国平均でおよそ95%以上です。
しかし、残りは様々な事情によって審査落ちとなっています。
ただしこの場合の審査落ちは個人信用情報や税金の納税状況などによるものではなく、書類不備やその他の理由による審査落ちと考えられます。
どのくらいで振り込まれますか?
およそ1週間から2週間程度で幅があります。特に申し込みが集中している時期は1ヶ月以上かかってしまったというケースもあります。早めに申し込んでおくことが重要です。
なお当サイトで情報提供があった中での最速は、申し込みの当日を計算に入れて6日間でした。
まとめ
今回は緊急小口資金という国からの貸付制度について、借りられる金額・借りられる人の条件についてまとめてきました。
緊急小口資金は審査通過率が90%を超えており、借金があっても申し込みは可能なので、一度自治体の社会福祉協議会に問い合わせてみることをオススメします。
ただし、注意が必要なのがいくら緊急小口資金とはいえ借金であることには変わりありません。
そもそも借金の返済が滞っていてどうしようもないという人は、「債務整理」を検討するようにしましょう。
具体的には、
- 債権者からの取り立てを即日でストップできる
- 借金総額を減額できる
- これまでに支払った利息が戻ってくる
可能性が大いにあります。
債務整理を検討すべき目安は「借金が収入の1/3を超えたら」と言われています。これまでに支払った利息が戻ってきたら、借金を一気に完済できる可能性もあるので是非一度無料相談を活用してみてください。※債務整理には自己破産だけでなく様々な方法があります
[/chat]
借金問題の相談先を比較したい場合は以下のボタンをタップしてください。
\24時間365日相談可/